場合によっては小売業や、飲食店(レストラン、居酒屋など)やホテルなどのサービス業も含め、統一性を持った複数店舗の集合体のことをチェーンストア(一般にいう「チェーン」「チェーン店」)と呼ぶことがあり、社会通念上ではフランチャイズも含めて使われている。同一形態の直営店とフランチャイズ店両方を擁するチェーンも数多く存在するためである。
なおチェーンストアの典型であるゼネラルマーチャンダイズストア(GMS:総合スーパー)に関しては、百貨店との差異は近年無くなりつつあるように思われているが、百貨店は基本的には高級品を対面販売することを重視しているが、チェーンストアの大多数は客のセルフサービスによる一般品の大量販売を重視している。
チェーンストアは、大量出店を行い、それを生かすため次のような仕組みを持つ。多店舗を経営する上で、取り扱う商品を同一化することによる大量仕入を行なっている。それゆえに取引先に対して強い価格交渉力を持つことで仕入原価の低減を図っている。
小売業では他社との差別化を図るため、もしくは価格面で他社よりも優位に立つために、自社専用商品(プライベートブランドあるいはストアブランド商品などと呼ばれる)を開発・販売する手法がある。 製造する工場を確保(OEM生産を受託できる企業との信頼関係を保持、もしくは自ら商品を製造する工場を保有)することが重要である。
飲食業では、セントラルキッチンによる一括大量調理を採用して、原材料のコストの削減と品質の安定(例えば、調理経験のない学生パートタイマーでも料理が完成できるようになっている)を図っている。
独自の物流・情報システムを有する。店舗内外の設計・施工や、内装、備品類などを標準化することで、出店コストの削減が図られている。顧客の欲求に合った店舗のコンセプトの開発とその改良を行う開発力がある。
薄利多売がモットーと思われがちだが、利益を追求するためには一つ一つの商品の販売における粗利益の増加が必要不可欠ではあるが、販売価格を上昇させるよりも仕入値の低減によって増益を求めている。しかし業態によって扱う商材が違うため、一概には言えない。
知名度を上げることや全店共通商品の周知を目的として、TVCMや新聞広告など影響力の大きいメディアでプロモーションを行なう。
特定の地域店が取り扱う商品の情報は新聞の折込チラシやインターネットなどでプロモーションを行なうことが多い。
各業務の標準化 (Standardization)、単純 (Simplification)、特殊化 (Specialization)、集中化(Centralization)をコンセプトとして 、それを遂行するために上記の戦略によるシステムを、人件費の安いパートタイマーでも運営可能にするために、業務の標準化やマニュアル化が図られている。
単一資本がブランド、経営方針、サービスの内容、作業ノウハウ、外観などを共通化した店舗を多数出することによって、大きな利益を生み出す目的で行う経営形態。
当初は比較的狭い地域に集中して出店して、地域の顧客に対して地理的・心理的により近づいて知名度を高めることで地盤を固め、さらに広域に展開することにより収益力を強化する。
多くの場合、業態としては、ゼネラルマーチャンダイズストア、スーパーマーケットやホームセンター、フランチャイズ制も併用するコンビニエンスストア、ドラッグストア、などの小売業をはじめ、ホテル、飲食店(ファミリーレストラン、ファストフード、居酒屋など)で展開されている。
交通・通信の発達とともに、後方管理業務など、顧客に直接接しない仕事を店舗から出来るだけ切り離すことが可能となり、また、コンピュータなどその他の技術の進歩を取り入れることにより、より合理的な運営が可能となっていった。
従来から日本では、本店に勤務していた社員の功労に対するインセンティブを兼ねて、本店からの「のれん分け」による一部資産やノウハウの委譲という形で、支店を設立しての多店舗化が行われることが多かったが、日本的な「のれん分け」は店舗経営者の経営自由度が高いのに対し、ここでいうチェーンストアの方法は、本店に対する支店という概念は全く存在せず、各店舗はあくまでも同一チェーンの対等な一店舗という位置付けがされてはいるが経営自由度が低いことが、日本的な「のれん分け」の手法とは異なる。
ゼネラルマーチャンダイズストアやスーパーマーケットが主体の業界団体である日本チェーンストア協会の通常会員入会資格は、「チェーンストアを営む小売業法人であって、11店舗以上または年商10億円以上」の規定があるが、99プラスのように上記の条件を満たして、かつフランチャイズ方式も採用している企業も加盟している。
同様の小売店の業界団体には、ほかにも日本フランチャイズチェーン協会と日本チェーンドラッグストア協会がある。
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